ネットの時代だからこそ

1年間で一番嫌いな研修がありました。

コロナ前までは、出張でしたが、コロナ以降はウェブでの開催になっています。

これは良い方向です。

すべての学校から必ず参加するとのことで、私が教員に名って以来、ずっと続けられていることです。

教育課程説明会と言います。

 

私は社会科を担当しました。提案者の内容は、ネットを活用した社会科授業でどんな力をつけていくのかというものでした。

今の社会科の授業で、ネットの情報を活用しないということはあり得ません。ネットには、子供たちが魅力的に感じる情報があふれています。それを自由に使わせれば、子供たちはそれこそ勝手にいろいろなことを学びます。

私は、それでいいと思います。弥生時代なら、弥生時代の土器に関心を持つ子供もいれば、食べ物に興味を持つ子供がいる。当たり前に自分が調べたいことを調べられる時代になったのです。

だから、もう一斉授業のような板書計画も要らないし、ノートに共通のものを書くという時間もいらない。自分の調べたことで書きたいことを書く。それでいいと思います。

それで、ちゃんと学んでいます。

それなのに、授業の形態は依然として、一斉授業の形を変えられない。私には、分からない理屈です。もう全員が一台ずつタブレットを手にしているのです。好きに学べば良いのではないか、と私は思ってしまうのです。

もう一つ。多くの情報を自由に手に入れられる条件になったからこそ、本物が力を持つと思っています。実際に土器を手にしてみる、発掘現場に行ってみる、消防署に行ってみる、など、実際のものと現場に行ってみることに価値があると思っています。

写真を見比べる前に、実際にその場に行ってみると、混んでいるとか、店があるとか、匂いがするとか、いろいろな体験をします。バーチャルは所詮バーチャルです。

 

ネット時代の授業なのに、授業形態は依然として旧態依然としているというねじれがあり、それを自覚することなく、進もうとしていることに指導者から何もコメントがなかったということは、指導者も同様に自覚がないということなのでしょうか。

 

こういう提案を聞くと、

「もっと吹っ切れれば楽しいよ」

と言いたくなります。

 

 

県の資料を読んでいたら、社会科の授業について

「単元を見通した授業を」

とありました。

もう15年以上前からやっています。

でも、この授業は、全然広がりません。

だから、私の特権です。

広がらないことに、全く不満はありません。