体力の低下が問題になっています。
コロナ対策で体育の授業が減ったり、子供たちが出歩かなくなったりして、体力が低下しているとの指摘がありました。
ほかにも、スマホやオンラインゲームなど、子供たちの生活が変わってきてしまったことも理由になっていました。
理由は、そんなところでしょう。子供たちの実際の経験が減ってしまっているという状況は、多くの教師の認めるところでしょう。
私は、体力を向上させることには何の異論もありません。
ないよりはまし、という程度のことです。一人一人の子供が、自分記録が伸びていることを喜んでいるのなら、とてもうれしいことです。
さて、私には、体力向上を目指す理由がよくわからないのです。
例えば、50m走のタイムが0.5速くするという目標を立てます。
0.5秒速くするという目標を設定した目的は何でしょうか。
これは、学力向上にも言えます。学力を向上することにはまったく異議はありませんが、さて、この学力向上の目的は何でしょうか。
この目的に切り込んだ記事を新聞から見つけることはできませんでした。
何を目的にして、体力向上をするのか。
私には、まったくわかりません。
子供たちの日常生活を見ていて、体力が向上する理由がありません。
家に帰って、どこにも出かけず、家の中にこもって、長い時間ゲームに興じているのですから、体力が向上するはずもありません。
一方で、社会体育に参加している子供たちの体力は、相当に高くなっています。
両者の格差は、広がるばかりです。
水泳の授業をすれば、スイミングスクールに通っている子供たちは、とても上手に泳ぎます。一方で、顔も洗えない子供がいます。
これの平均をとれば、平均は下がって当然です。
さて、体力の向上はどうなっていくのでしょうか。