「セッション」から考える
今日は1時間の休みを取り、1時間の早帰りをしました。
帰りの車はいつものようにラジオを聞いていました。
普段は聞けない時間、運良く「荻上チキのセッション」で教師の多忙の問題を取り上げていました。
「どういう話だろう」
と期待しました。コメンテーターは二人居て、お二人とも大学の方でした。
「現職じゃ、ないんだ」
とすでに嫌な予感。
話の展開は、いかに今の学校が多忙で、大変な状態になっているのかという進み方でした。
確かに、コロナの影響があり、消毒などの仕事が増えました。
修学旅行が延期になったり、運動会が縮小されたりしました。
授業の進め方もいろいろな制限ができました。現在は、大方解除されています。
そんな中で、働き方改革を進めようとしています。
番組の中でも、指摘されていましたが、確かに現場の人手不足は深刻です。
同時に高齢化も進んでいます。
現実的な経験の少ない児童が増えて、考えられない事態が発生し、その対応もあります。
番組の中で、指摘されたことを否定するつもりは毛頭ありません。
しかし、です。
私は番組の内容に不満を持っています。
こんな、ステレオタイプの番組を作っているだけでは、現実を改善することはできないと思います。
具体的な光がないからです。
自慢ではありませんが、私はほぼ毎日5時過ぎには学校を出て、遅くとも6時には家に着いています。家族とご飯を食べ、おしゃべりをして、8時には自分の部屋に入って、趣味の時間を楽しんでいます。
学期末のこの時期でも、帰宅が6時を過ぎたことは数回です。
なぜ、これが可能になったのかと言えば、一番大きな理由は管理職の姿勢にあると思っています。管理職の意識がまず大切です。
以前から、時間外の仕事をしないと決めている私は、勤務時間が終わると、ほぼ同時に学校を出ます。それが肯定される職場であることが大切です。
コロナで一度縮小したことを簡単に復活させないようにしています。
「負担が増えるなら、やらない」
同僚の多くは、6時前に学校を出ています。
それでも、学校は回ります。
学校がしんどい状況になっているという取り上げ方では、何も改善されません。その方向で多くの報道がされてきましたが、何か改善したのでしょうか。
「こうやれば、いい」
という方向を示さない限り、現場を救うことはできないと思います。
管理職の意識と教員の意識を変えれば、多忙はなくなります。
教員の意識を変えることは、相当難しいと思います。
「あれもやりたい、これもやりたい」
と教師は思っています。同時に
「あれも足りない、これも足りない」
と子供を見て、思っています。だから仕事は際限なく増えていきます。
ここで、
「でも、これは勤務時間を超えるなあ」
と思って、仕事を辞める、減らす教師は少ないと思います。
私は、勤務時間を大きく超えるようなことは、いかに効果があってもやりません。
指導者と言われる方が
「こうした方がいい」
と言われることも、結局あまりにも時間がかかりすぎることは、続かないのでできないのです。
教師の意識を変えない限り、教師の多忙は解消されません。
その成功例を取り上げなければ、現状を改善することはできないと思っています。
教師の楽しみは、いくらでもあります。
仕事の仕方を変えても、楽しみが減っている訳ではありません。
私は、仕事を十分に楽しみながら、定時で退勤しています。
悲惨な現状の告発だけでは、前向きな解決には向きません。
次のセッションを楽しみにしたいと思います。