違う

責任ある立場の人は本当に用心した方がいいと思います。

最近、公的な場所で責任ある立場の方からあるお話を伺いました。

その中で2つ気がかりな発言がありました。

 

その1

「個に応じた指導と個別最適化は同じです。」

私は驚きました。

同じではありません。

「個に応じた指導」はあくまでも教師側がその子に応じた指導をするということです。

現実には、その子に合っているかどうか分かりませんし、通常の授業の中で一人の教師が一人一人に応じた指導をすることなんて、できるわけありません。

「個別最適化」は、子供が自分で自分に合った学び方をするという意味です。学習方法を子供が選ぶことができます。ある子供は教科書を読む、ある子供はタブレットを使う、ある子供はとりあえず友達に相談する、など自分に何が合っているのか、自分で選択するのです。

この2つが同じであるわけありません。「個別最適化」を現実的に実践できる授業は『学び合い』しかありません。

 

その2

「学び合いは、授業方法の一つです。」

この議論は、大学院に在籍していたときに、散々議論しました。学習会でも何回も質問を受けました。「『学び合い』は考え方である」という考えが実は一番理解が難しい。かくいう私も、大学院を修了してある同志と話をしているときに、この考えがストンと落ちました。

授業方法の一つではあるけれど、方法論のレベルで論じてはいけない。指導観、児童観、教材観、など「観」のレベルの問題で論じないといけない。だから『学び合い』の授業には定型がありません。授業を見に行くと、ごく普通の一斉授業に見えます。でも、『学び合い』という成立しているなんてことが当たり前にあります。

 

この2点だけでも、私はびっくりしたし、がっかりもしました。

こんな理解で校内研修が始まるのかと思うと、心底うんざりします。

はっきりと、責任ある立場の方々は、もっと勉強して欲しい。

そう思っています。