一人一台のタブレット端末が配付されて、1ヶ月になります。
授業は激変しました。
「タブレットに授業をさせてはならない」
という一部のご指導があるようですが、そんな声はすぐに消えるでしょう。
「つまらない教師の話より、わかりやすい動画の方がいい。」
という子供は必ずいます。
さらに、
「自分で調べたいこと、考えたいことがあるので、教師は黙っていてほしい」
という子供もいます。上位の子供たちは、
「もっと調べたいことがあります」
と思っています。
活字より動画、話より活字、と自分が得意な情報を選択できるタブレット端末に勝てる教師はそれほど多くはありません。いや、いないかもしれません。
タブレット端末で、学習が完全に個別化します。
私の教室では、完全に個別化してきています。
子供たち同士が関わらないわけではありません。
時々、なんだか話をしています。
でも、自分の学習に戻っていきます。
私は、ほとんど教室の中を歩くこともなく、静かに子供たちの様子を見ています。
「あと、5分で終わりですよ」
なんて、時間の管理だけしています。
昨日は
「先生、そろそろ終わりですか」
なんて質問されました。
時間の管理も子供たちがやるようになったら、いや、そうなるに違いありませんが、教師の仕事は『学び合い』が明らかにしているように、「環境の整備」「目標の設定」「評価」の3つだけになっていくように思います。
学習の環境がそろわなかったので、『学び合い』が言ってきた3つの教師の仕事にならなかっただけで、タブレット端末という環境が、急速に『学び合い』を後押しするかもしれません。
「教師の仕事は、教えることだ」
と考えてきた先生方は
「タブレット端末に教えさせてはならない」
とお考えになるかもしれませんが、すでに教えることにあまり興味のない私のような『学び合い』を実戦したきた教師には、この変革はむしろ歓迎すべき環境のように感じています。
私は、授業の始まりに、今日の課題を提示して、説明し、最後にノートを提出させて、評価の材料にしています。
時には、教室を回ったり、教室の後ろの席に座って、子供たちの画面を見たりしていますが、ほとんど子供たちと声を交わすことはありません。
ネット上には、良い物も良くない物も、たくさんの情報があります。子供たちが、その中から自分に合う情報を選択する。
教師しか情報源がない時代は、十の昔に終わっています。
それが現実になってきただけです。