子供は3次元に生きている

私のような年寄りから子供たちの姿を見ていると

「圧倒的に経験がないなあ」

と感じることがあります。

画面を見て、見た気になっている。

画面を見て、行った気になっている。

画面を見て、触った気になっている。

と感じるのです。

生きたカブトムシを捕まえれば、カブトムシは逃げようとして暴れます。

無理矢理引き剥がそうとすれば、脚が引っかかって痛い思いをします。

画面では絶対に体験できないことです。

子供たちだけではありません。

保護者も教師も、画面を見ているだけで、現実を知らなすぎます。

いや、画面を見て、知ったつもりになっているのです。

花壇にナスの苗を植えて、成長の様子を見ます。

ナスだけが成長する画面を見ていて

「こうやって成長するのか」

と分かった気になります。

でも、現実では、ナスの横に生えている雑草も一緒に伸びます。ナスよりも勢いよく伸びることもあります。そのままにしておけば、ナスが枯れてしまう場合もあります。

強い風が吹けば、ナス苗が倒れます。水をくれなければ枯れることもありますし、逆に雨が続いても順調な成長は望めません。

3次元で、現実に観察するとはこういうことです。

草取りをすれば、汗をかきます。

土で汚れます。

毛虫が出るかもしれない。

そんな現実で、子供たちを育てるにはどうしたらよいか、本気で考えなければなりません。

まずは、教師が現実に生きること。

これに尽きると思っています。