働き方改革が進んでいます。
進めようとしています。
現場で見ていると、簡単には進まないように思います。
私が若い頃、土曜日に授業があった頃は本当にのんびりとしていました。
それでも、さらにその以前を知っている先輩方からは
「そんなに忙しく働くな」
と言われていました。
職員会議があるからと言って、短縮授業をしていたこともあります。
朝の打ち合わせが伸びて、1時間目の授業に食い込んだこともありました。
それが、土曜日の授業がなくなり、完全週休2日制に移行したときから、学校に余裕がなくなりました。
まだ学習指導要領の改訂で、35時間で割ることが出来た時数が、そう出来なくなり、学期ごとの時間表を作ることになり、仕事が増えました。
パソコンが入り、英語が入り、と増え続ける仕事に対して、授業時数も増えて、教師の放課後の時間がなくなり、結局勤務時間を超えて仕事をするしか方法がなくなりました。
毎日、6時間授業をして、子供が帰るのが3時30分過ぎです。職員会議が入れば、勤務時間終了まで拘束されます。打ち合わせがあれば、その時間も拘束されます。
結局、3時30分から4時45分の勤務時間終了までの時間が完全に自由に使える日は一週間に1日か2日しかありません。
ひどいときには、1日もありません。
それ以外にも、保護者対応があったり、出張があったりすれば、もう自分の時間はありません。
「土曜日に来てやるか」
という声を聞いたので、
「それは、だめでしょ」
と声をかけたら、
「土曜日に自分のペースで仕事をする以外に方法がない」
と言われたことがあります。
だから、解決するには、一つは人を増やすことです。
授業が増えた分、人を増やす。一人あたりの仕事量を減らす。まず、これをすればいいと私は思っています。
人を増やしただけではだめで、その増えた人が何をするのかです。
これは、学校の運営に関わることなので、私の範囲を超えます。
例えば、
「火曜日の午後は、担任を交代する」
くらいの役割分担をする。保護者からの連絡も、担任ではない人が対応する。ここまでやれば、具体的に負担を減らすことが出来ます。
あとは、意外かもしれませんが、教師の横並び意識を変えることです。
これは、かなり難しい。
私が若い頃は、クラスが違えばルールが違うのが当たり前でした。
だから、合わせられるところだけ合わせて、後はクラスでご自由に、でした。
今は話が逆になっています。
最初に、合わせるだけ合わせる。
分からないところが出てきたら、また合わせる。
学年が違っていても、合わせる。
「時代が違うのだから」
と言われますが、私は
「何が違うのですか」
とも言いたい。
保護者からのご意見を頂いたら、話し合いをすれば良いだけです。
教師のコミュニケーション能力が落ちている。最初から守りです。
話し合って、どこに落とすのか、お互いに話をすれば良いだけです。
何でも横並びで、一緒なら安心としているので、やたらと「合わせる」ための会議が多いのです。
違いを認め合えば、そんな会議はすべてなくなります。
これは、教師側の意識の問題です。
この働き方改革がどのように進んでいくのか、私は静かに眺めています。