卒業間際のこの時期になると、子供たちは言いたい放題にいろいろなことを言ってきます。
「先生、今日は国語はやめましょう」
「体育はバスケットボールですね」
「どうせなら、今日はもう帰りましょう」
「どうして○○先生が休みなのですか」
「給食を食べたら、帰りましょう」
「今日のテストで平均点が90点だったら、宿題なしにしませんか」
などなど、きりがありません。
いちいち応じているとめんどくさいのですが、面白いので結構応じてしまっています。
「平均点90点というのはそうとう難しいよ。平均点90点だから、95点でもだめだから」
と笑いながらいいます。
子供たちも笑っています。
「90点以上でどうてすか」
とまたまた言ってきます。
私は、子供たちが何であれ、自分の、自分たちの要求を口にするのはとても良いことだと思っています。言ったからと言ってそれが通るわけではありませんが、言葉にしなければ始まりません。
言葉にすれば、何らかの変化が始まります。
どんな無茶苦茶な要求でも、私は叱ることをしません。流したり茶化したりはします。
真っ当な要求には丁寧に対応します。
子供たちが、納得できるかどうか分かりませんが、説得を試みます。
丁寧な大人でありたいと思っています。
「○○先生は、本当に怖い」
と言うので
「私はどう?」
と聞くと
「先生は安心です」
と言われました。
嬉しい言葉でした。
掃除の時間に掃除の見回りに行きます。
私は小学校のときに、掃除サボりの名人でした。
どうやってサボるのか、よく分かっているつもりです。
いろいろと掃除の指導をしてきましたが、掃除をやっていない子供に対して、強く指導するのは結局無駄だと気づきました。
今は、とりあえず声をかけます。
「今日はゴミが多いねえ」
という感じです。
最後に、
「掃除をしていて、困っていることはありますか」
と言います。御用聞きです。
子供は
「いえ、ありません」
と言います。
「では、あとは宜しく」
と言って、次の場所に行きます。
先生が来ても叱られない、御用聞きだけする、と分かってくると、子供はきちんと掃除をするようになります。
不思議ですね。
結局は、コミュニケーションと子供たちがどのように納得したのかにかかってくると感じています。