読むんじゃなかった

日本の経済状態はあまり良くないようです。

オリンピックも「経済効果○兆円」とか言っていましたが、どうなのでしょうか。

逆に、借金の方が話題になっている感じがします。

水野和夫氏の著作を読んで以来、経済に関する本を読むようになりました。

特に

「これからの経済は」

と将来を考える内容にはひかれます。

斎藤幸平氏の「人新世」は本当におもしろかった。

水野氏が

「将来の予想は、自分にはできない」

と言っていたのを見事にやってくれた感じがしました。

その予想に対して『学び合い』は何ができるのか、を考えるのはとても面白いと思っています。

逆に

「読むんじゃなかった」

と思う本もあります。

書名にひかれて読み始めたけど、結局最終的に

「こうすれば日本の経済は再生し、景気は良くなる」

という結論になっていると、脱力してしらけます。

水野氏の主張は

「資本主義経済が行き詰まっている」

という内容です。どのようにしても、この先がないという指摘です。

この問題を解決せずに、経済を一時的に回復させたとしても、結局行き詰まっている資本主義経済をわずかばかり延命したに過ぎません。

根本的な解決にはなりません。

先日、読み終えた本は、結局経済を再生させようという結論でした。

これだけの著者が、まさか水野和夫氏の著作を読んでいないはずがありません。

読んでいて無視するなら、学者としての資質を疑います。

反論があるなら、するべきです。反論を読みたいと思いました。どのような反論があり、どうして経済再生などと言う主張に至るのか知りたいと思っています。

残念ながら、その道筋は記されませんでした。

こころから失望しました。

書名をここに記さないのは、武士の情けです。