退職の1日

本日をもって、38年間勤めて定年退職となりました。

私は、つくづく運の良い人間だと思います。

大学3年の終わりに、とりあえず就職しようとなり、採用試験を受けました。

大学のとき、勉強するのが面白くて、勉強ばかりしていたので、周りの人たちは、私が大学院に進むものだと思っていたようです。採用試験を受けることを言ったら、驚かれたことを思い出します。

採用試験に向けて、先輩からいただいた問題集を繰り返し勉強しました。1カ月間ほとんど家から出ないでひたすら勉強していました。

幸いにして、採用試験に通り、埼玉県に採用されました。

教員にはなりましたが、何となく

「そのうち辞めるかな」

と思っていました。

そのうちに、教員の仕事が面白くなりました。私が就職した頃は、戦後の混乱期に代用教員から教師になった方々の最後の人たちがまだいました。

今よりもずっと多様な同僚がいました。それぞれのクラスで思い思いの学級経営をしていて、自由でした。

職員会議で激しく言い合ったこともあります。

同僚が職員旅行でけんかしていたこともあります。

飲み会になると

「おい、こっちへ来い」

と呼ばれて、じっくりと話をしたこともありますし

「そんなことを言ったって」

と言い返したこともあります。

先輩達は、そんな私を大切にしてくれました。

同僚にも恵まれました。

仕えた管理職の多くは、大変に立派な方でした。中には、私は肌が合わず苦労しました。そういうときは、

「どうせ私より先に移動するから」

と静かにしていました。

今思い返してみても、最初に仕えた教頭先生には本当にお世話になったと思います。

 

38年間で、6年生の担任が10回です。

ほとんど高学年の担任をしていました。

自分で望んだ訳ではありません。

自分で望んで高学年の担任をしたのは、数回です。

「高学年の担任を外して欲しい」

と言ったことは何回もあります。

教員になった頃は

「低学年の担任が似合うじじいになりたい」

と言っていましたが、結局その夢は叶いませんでした。

10回の6年生の担任ですが、それぞれに思い出があります。

とんでもなく苦労した1年もあります。

すべてが思い出になりました。

 

 

明日から、再任用です。

第2の人生の始まりです。

「また明日」

と言われて帰ってきましたが、明日から私は第2の人生の始まりと思っています。

給料は大分減るようですが、勤務時間も変わらないので、生活自体はほとんど変わらないことになりそうです。

第2の人生について、新しいことを考え始めたら、楽しくなってきました。

まだまだいろいろな可能性があるようです。