質問が出尽くす

修学旅行について、子供たちから質問を受けます。

授業の合間に

「修学旅行について何か質問はありますか」

と時間が許す限り聞いていました。

先週、宿泊場所などを下見に行ってきて、子供たちの質問が集中しました。

同時期に、保護者との面談もしていたので、保護者からの質問を受けたり、ご意見を拝聴したりしていました。

ついに

「何か質問は」

と子供たちに言っても、何も出ないようになりました。

質問が尽きたのです。

私は、この状態を

「丁寧な説明」

と言うのだと思っています。

話す側がいくら「丁寧な説明だ」と言っても、聞いている側からすれば、聞きたいことは無限にあります。

「そこをもう少し聞きたい」

と疑問に感じるところがあるのが当たり前です。

話す側からすると、同じような質問が出ているなあと感じることもあります。

それでも、一つ一つの質問に答えなければなりません。

時間が無制限にあるはずもなく、

「次の質問はまた明日」

という場合もあります。

次の日、またそこから始めます。

これを繰り返していくと、ついに質問がなくなります。

ここまでやって、やっと「丁寧な説明」となると私は思っています。

質問に答えなかったり、質問をはぐらかしたり、質問に質問で答えたり、微妙に答えをずらしたりするのは、「丁寧な説明」とはいいません。

誠意を尽くして話をする。話が終わったら、終わるまで質問を受け続ける。質問には、誠実に答える。

当たり前の事ですが、ここまでやれば、「丁寧な説明」と言えると私は考えています。

教室なら、ここまでやっても、やはり伝わらない子供がいます。伝わらない子供は、あるとき、前に出た質問をすることがあるかもしれません。

それでも質問には答えなければなりません。

私は、子供たちからの質問には誠実に答えます。答えられない事情があるときには、その事情を説明します。その説明にも質問を受け付けます。

そうやって、子供たちに誠実に対応することで、

「この大人は、少し信用できるかも」

と子供たちが思ってくれれば、いいのです。

そんな日が来るのかどうか、明日からまた誠実に答えようと思っています。