損をしているのは?

『学び合い』をしていると、やるべき事をしないで遊んでいる子供が居ることがあります。

多くの場合、その場で周りの子供たちが気づき、注意して終わります。

問題は、何らかの事情でその子に周りの子供が注意できない場合です。

「先生」

とやってきて、その子が遊んでいてどうにもならないことを告げます。

私の対応はその時々です。その子の状態によっても、違います。

最初に考えるのは

「遊んでいることで、損をしているのは誰か」

ということです。

本来、勉強しなくてはならない時間に、遊んでいる訳ですから、遊んでいるその子が一番損をしていることになります。

次に、その周りの子供たちです。なんとなく引きずられて、勉強に集中できない場合があるかもしれません。

「あいつ、遊んでいるのに、なんで俺ばっかり勉強しなくちゃならないのだろう」

と不平がたまるかもしれません。

それこそ、遊んでいる子供の思うつぼです。みんなが一緒に遊んでくれれば、自分が遊んでいても、相対的な成績は下がりません。

では、教師が注意するのはどうでしょうか。

「困った時の先生頼み」

は先生がいるときには意味がありますが、いつも居るわけではありません。

自分たちでこそ解決すべきことだと私は思っています。

そういう申し出があったときには、

「伝えてくれてありがとう。少し様子を見よう。自分たちはしっかりべんきょうしなさいね」

と伝えることが多いと思います。

その子に注意しても、あまり意味がないので、周りを囲んで、逆に勉強する子供を多数派にする働きかけをします。

「どうでもいいけど、勉強していないの、君だけですよ」

というメッセージを静かに送り続けます。

それで、気がつかないのであれば、次の手を打つしかありません。

私は、クールな対応をする方なので、最後は

「あなたの人生ですから、あなたが決めてください」

という態度になるかもしれません。