正統的周辺参加

今更言うまでもないことだと思いますが、

 

ジーン・レイヴ

エティエンヌ・ウィンガー著

「状況に埋め込まれた学習」

正統的周辺参加

産業図書

 

 

が指摘している「正統的周辺参加」もとても大切な考え方だと思っています。

すべてを教師が準備した授業より、準備から参加した方がいいという考え方です。

好き嫌いの多い子どもには、料理をさせるといいというのも、同じです。

授業の準備から子供たちにどんどん参加させるととても楽しい展開です。

子供たちはとても真剣に準備を始めます。

お膳立てをすべて教師がやってしまうのとは全く違う世界です。

 

20年程前の卒業生と話をしました。

当時は、まだ『学び合い』と出会う前です。

私は、意識的に様々な場面で子供たちの力を活用していました。

その分、私の負担は軽くなり、自分の子育てに十分な時間を確保することができました。

卒業生たちにこの話をしました。

「君たちにいろいろなことをやってもらって、私の仕事を減らしていたんだよ」

と言うと、卒業生たちはすごく驚いていました。

「俺たちが、なにかやったっけ?」

「逆に、楽しかったことしか覚えていないんだけど」

とも言っていました。

自分たちでいろいろなことができるのですから、楽しいに決まっています。

私は、子供たちに任せていたのでその進行だけを見ていたわけです。

『学び合い』と出会う前から、そんなことをやっていたのです。

『学び合い』に出会ってから、子供たちにやらせてみるという授業を強く意識しました。一斉授業に慣れた子供たちからは、

「先生はなぜもっとちゃんとやってくれないのだ」

と思われていたようです。

それも、4年生が相手だと、全く違います。

自分たちでできることが楽しくて仕方がない。

4年生がやっていることを見て、私は『学び合い』の確かさを自分で確かめたような気がしていました。

受け身で、すべてを準備してもらう授業は忘れられていきます。

自分で考えて、自分でやってみたことは覚えています。

だから、卒業生たちは、「楽しかった」と言うのでしょう。

 

もっといろいろな考え方に出会って欲しいと思っています。

「状況に埋め込まれた学習」

は若い先生方に是非とも読んで頂きたい一冊です。

なかなかに骨の折れる読書です。