AIに負けない子どもを育てる
を読んでいます。
前著もすごく面白かったけれど、この本はさらに面白い。
この本では、AIの発展にどのように対抗していくかが書かれている訳ではありません。子供たちの読解力をどのように定義して、テストして、どのようにつけていくのかを取り上げています。
国語の専門家はどのようにこの本の指摘を読んでいるのか、聞いてみたくなります。
「聞き手にわかるように書く」
という提案があります。国語では作文を沢山書かせてきましたが、読み手を意識させると作文は劇的に変化します。
私は、これまでも作文を書かせるときには
「読み手は先生です」
「読み手は、家の誰かです」
と読み手を意識させてきました。
同時に、どういう目的で、どういう場面で、と意識させてきました。
どういうコミュニケーション状態の作文なのか、で、コミュニケーションのあり方は変わってしまうという当たり前の授業をしてきました。
実は、これが大切であると指摘しています。
これは、宇佐美先生の受け売りです。
伝言ゲームというゲームがあります。
うまく伝わらないから面白いというゲームです。
私は
「伝言ゲーム破り」
も好きでした。
コミュニケーション状態を設定すると、うまく伝わってしまうのです。
例えば、
「電話の緊急連絡網。明日の運動会の日程の変更についての連絡」
として、文章を回します。
伝わってしまうのです。
どういう状況で、どういう目的で、誰に対して、と設定して、この場面に応じた言葉遣いを意識すると、文章は正確になっていきます。
これが大切であると指摘しています。
P279に、『学び合い』を進めている方なら、手を打って喜びそうな指摘があります。
この本には、読解力を測るテストが付いています。
体験版なので、正確にはさらに本格的なテストを受けなければなりませんが、なかなかに面白いテストでした。