子供たちが安定して落ち着いた学級は、一般的にいい学級だと言われます。
子供たちが、ざわざわと落ち着かない様子の学級よりもよく見えます。
1年に一度やってくる指導主事は、そういう学級を見て
「落ち着いたいい学級ですね」
と言います。
多くの先生が、そういう学級を目指します。
私もそういう学級を目指してきました。
でも、その落ち着いた学級も、見方を変えるとまた違う面があるように思えます。
落ち着いた学級というのは、子供一人一人が自分の「位置」「居場所」を確保していて、そこにいるという状態かもしれません。
それは、悪いことではありません。
その「位置」「居場所」が、「序列」になっているのかもしれません。
走ることには、あいつにはかなわない。
字を書けば、あいつが一番だ。
絵を描けば、あいつが一番だ。
という状態です。
お互いの良さを認め合うのですから、別に悪いことではありません。
だから、走ることでは競うことはしない。
字を書くことでは、自分の位置でいいやと思う。
そうやって、安定していくと、結局、みんなが自分の「位置」にいて、動こうとしない活力のない学級になっていきます。
それが悪いという訳ではありません。
学級編成があり、中学校に進学すれば、もっと大きい集団に所属します。
また、次の「位置」を確保することになります。
学級の見方も、いろいろあります。
子供たちがごちゃごちゃといろいろな問題を起こすというのは、自分の「位置」を変えようとしている子供がいるという証拠なのかもしれません。
私は、どちらかというと、このごちゃごちゃした感じが好きです。