校内研修での話。
県の学力テストの結果の分析をしました。
分析と言っても、データから何ができているか、できていないのかを考えてその対策を考えるという内容です。
始まる前のちょっとした雑談のなかで、私が
「だいたい少人数指導で学力が上がるということはないんだよ」
と言ったら、若い同僚が
「どういうことですか。人数を減らして指導すれば学力が上がるんじゃないですか」
と反応してくれました。
いいですね。
久しぶりに、嬉しい反応でした。
「いや、学術的に少人数指導で学力が向上したというデータはないんだよ」
「少人数指導で学力が向上するというのは、思い込みなんだよ」
といいましたが、納得していない様子でした。
「だいたい少人数指導の僻地校で学力が向上したという話はないよね」
と言ったところで時間切れとなりました。最後に
「じゃあ、学力向上はどうすればいいんですか」
と問われたので
「ただ、人数を減らせば学力が伸びるというものではないんだよ。そんなに簡単な話ではない」
と言いました。
若い教師が、
「人数を減らせば学力が伸びる」
と信じているようです。
例えば、私のクラスの4人は完全に自分のペースで学習を進めています。
一斉指導はありません。
この方法が一番、この子供たちに合っているのです。
これをクラスでやればいいと私は思っています。
一人一人が違う進度で学習する。
これしかありません。
クラスの中に、算数が得意な子供と不得意な子供がいる。体育の好きな子供も苦手な子供がいる、という当たり前のクラスが一番いいのです。
できる子供だけ集めても、苦手な子供だけ集めても、やはり伸びないのです。
私は、この若き教師にどの本を薦めようか考えています。
いきなり『学び合い』では、刺激が強すぎて受け付けないでしょう。
徹底的に一斉指導に特化した本も面白いと思っています。
私に
「なぜ」
と問うた姿勢に報いなければなりません。
「その姿勢いいですよ。もっとかかってきてください」
と私は静かにエールを送っているのです。